フライフィッシングでは、フライラインとリーダーを接続する方法がいくつかあります。
代表的なのは、ネイルノット、スプライス接続、ループトゥループの3つです。
どの方法でもつながればよいと思われがちですが、接続部分の大きさや重さ、ガイドへの引っ掛かり、リーダーの交換しやすさには違いがあります。
私が渓流フライフィッシングでおすすめしているのは、スプライス接続です。 接続部を小さく仕上げやすく、フライラインとリーダーの継ぎ目がロッドのガイドを出入りする際の引っ掛かりを抑えられるからです。
一方、ポンドタイプの管理釣り場で#5・#6ラインを使うときは、ループトゥループで接続しています。
この記事では、私が実際に使用してきた接続方法をもとに、それぞれの結び方や違い、釣り場別の使い分け、リーダー交換のコツを解説します。
フライラインとリーダーの結び方は釣り方で選ぶ
まず、今回接続する部分を確認しておきましょう。
フライフィッシングのラインシステムは、リール側から順に次のようにつながっています。
バッキングライン → フライライン → リーダー → ティペット → フライ

今回解説するのは、フライラインの先端と、テーパーリーダーの太い側である「バット部」の接続です。
リーダーとティペット、ティペットとフライの結び方とは異なります。
フライラインの種類や番手については、フライラインの種類と選び方で詳しく解説しています。
主な接続方法の比較
| 接続方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| スプライス接続 | 接続部が小さく、ガイドへの引っ掛かりを抑えやすい | コアの構造によっては施工が難しい |
| ループトゥループ | 接続・取り外しが簡単で、リーダー交換がしやすい | ループの重さや大きさが気になる場合がある |
| 通常のネイルノット | ループのないラインでも直接接続できる | スプライス接続より結び目が大きくなりやすい |
| ブレイデッドループ | ループのないラインに後付けできる | 接続部の重さ・太さ、製品の適合に注意 |
| 樹脂製コネクター | 製品によっては簡単に接続できる | 低番手ラインでは重さや大きさが気になる場合がある |
実物写真でも、スプライス接続とループトゥループの接続部分の大きさを比較できます。

私の場合、渓流や本流の繊細な釣りではスプライス接続、ポンドタイプの管理釣り場で#5・#6ラインを使う場合や本流のダブルハンドではループトゥループを使い分けています。
初心者だからループトゥループにするべき、ということではありません。
使用するフライラインが適しているなら、これから渓流フライフィッシングを始める方にもスプライス接続をおすすめします。
スプライス接続の結び方|渓流フライフィッシングにおすすめ
スプライスとは、フライラインの内部にリーダーを通して接続する方法です。
ラインの外側だけで固定する通常のネイルノットに比べ、接続部分の段差を小さくしやすいのが特徴です。
渓流では、短い距離でキャストしたり、魚を取り込む際にリーダーをロッドのガイド内へ引き込んだりすることがあり、接続部分に段差があるとガイドに引っ掛かりラインの出し入れがスムーズにできません。
私はこの引っ掛かりを減らすことを重視して、渓流ではスプライス接続を使用しています。
スプライス接続に適したフライライン
スプライス接続をする際、まず確認したいのがフライラインのコア(芯材)です。
私の経験では、ブレイデッドコアやPEのように繊維が編み込まれた構造のラインは、ニードルを中心に通しやすく、スプライスしやすい傾向があります。
一方、ナイロンなどの単線(モノフィラメント)コアでは、ニードルを中心に通そうとしてもうまく入りません。
無理にニードルを押し込むと、コアやコーティングを傷める可能性があるので注意しましょう。
また、編組コアであっても、ラインの径や構造によってはスプライスが難しい場合もあります。
すべてのフライラインでスプライスできるわけではないため、作業前にコアの構造を確認しましょう。
使用する道具|C&F DESIGN CFA-11
私がスプライス接続に使用しているのは、C&F DESIGNの「3-in-1 Nail Knot Pipe(CFA-11)」です。
スプライスニードルとネイルノット用パイプを備えたツールで、リーダーをフライラインの内部へ通す際に便利です。
スプライスニードルの先端にリーダーを通す穴が空いているので、フライラインをスプライスした後にその穴にリーダーを通して引き抜けば、ラインの中にリーダーを通すことができます。
ただし、スプライスの際にニードルを無理に押し込むと、針が曲がったり折れたりするおそれがあるため注意してください。
スプライス接続の基本手順
スプライス接続は、大きく次の工程で行います。
- フライラインのコア構造と先端の状態を確認する。
- スプライスニードルをフライライン径の中央に刺して、リーダーを通す経路を作る。
- リーダーをライン内部へ通し、太いバット部まで引き込む。
- リーダーのバット部でループ(輪っか)を作り、中に2回通して結び固定する。
- 接続部の形を整え、抜けや損傷がないか確認する。
リーダーを引き込む際に強い抵抗がある場合は、無理に引っ張らず、ラインとリーダーの太さや通し方を確認してください。
① スプライスニードルで中通しする:フライライン内部にリーダーを通す経路を作ります。(穴の深さは5mm程度)ニードル先端の穴にリーダーの先端(細いほう)を通します。

ニードルが入りにくい場合は無理に押し込まず、ラインのコア構造を確認してください。
② リーダーをライン内部へ通す:ニードルを引き抜きリーダーをラインの中に通します。リーダーが通ったら太いバット部まで引き抜き位置を整えます。

リーダーを引き込む際に強い抵抗がある場合は、無理に引っ張らず、使用するラインの構造や太さを確認してください。
現在はユニノット系の方法で固定
以前は、スプライスしたリーダーを3回巻きのネイルノットで固定していました。
現在はネイルノット用パイプを使用せず、ユニノット系の方法で固定しています。
リーダーでループを作り、中に2回くぐらせて固定する方法で、結びコブを小さく仕上げられます。
私が使用している条件では、これまで結び目が抜けるトラブルも起きていません。
ただし、結び目の強度や抜けにくさはラインとリーダーの組み合わせ、締め込み方などによって変わります。
完成後は必ず結び目の状態を確認し、適切に引いて抜けがないか点検してください。
③ 固定用の輪を作る:スプライスしたリーダーで、固定用の輪を作ります。

④ 結び目を締め込む:固定用の結び目をフライライン先端付近へ寄せ、形を整えながら締め込みます。

⑤ 左右に引いて確認する:接続部が緩んだり抜けたりしないか、ラインとリーダーを左右に引いて確認します。

無理な力をかけず、接続部とフライラインのコーティングに傷みがないかも確認します。
⑥ スプライス接続の完成形:フライライン先端付近に小さな結び目ができた状態です。

結び目の大きさや形を確認し、接続部がスムーズにつながっているか点検してください。
スプライスネイルノットと接着剤を使う方法との違い
スプライス接続には、中通ししたリーダーをネイルノットで固定する方法や、接着剤を併用する方法もあります。
私もこれまで複数の方法を試してきました。
以前は3回巻きのスプライスネイルノットを使用
以前は、フライラインの内部にリーダーを通したあと、3回巻きのネイルノットで固定していました。
通常のネイルノットとの違いは、先にリーダーをフライラインの内部へ通していることです。
この方法でも接続部を小さくできますが、現在はネイルノット用パイプを使わない、ユニノット系の固定方法を使用しています。
以前の3回巻き方式も実用的ですが、現在はネイルノット用パイプを使わない固定方法を選んでいます。どちらの方法でも、使用するラインとの相性や締め込み後の状態を確認してください。
瞬間接着剤を使用しなくなった理由
スプライス接続には、結び目を接着剤で固定する方法もあります。
私も以前に試したことがありますが、現在は使用していません。
理由は、接着剤で固定してしまうと、リーダー交換時に接続部分を切断する必要が生じるためです。
また、接着部分が硬くなる点も気になりました。
私は、接続部分の小ささだけでなく、リーダー交換時にフライラインを短くせずに済むことも重視しています。
接着剤を使用する方法が間違っているわけではありませんが、私の釣り方では、接着剤を使わない接続方法の方が適しています。
ループトゥループの結び方|リーダー交換が簡単
ループトゥループは、フライラインとリーダーの両方にあるループをつないで接続する方法です。
現在は販売時から先端にループが付いているフライラインや、リーダーなども多くあります。

ループトゥループの大きなメリットは、接続と取り外しが簡単なことです。
結び直す必要がなく、リーダー交換の際にもフライラインを切らずに済みます。
ループトゥループの接続手順
フライラインとリーダーの両方にループがあることを確認したら、次のように接続します。
- リーダー側のループに、フライライン先端のループを通す。
- フライライン側のループへ、リーダーの細い先端側を通す。
- リーダー全体を通し終えたら、両方のラインをゆっくり引く。
- ループ同士が正しく組み合わさっているか確認し、形を整える。
リーダー側にループがない場合は、バット部にパーフェクションループなどの方法で輪を作ります。
① 接続前にループを確認する:フライラインとリーダーそれぞれのループに、ほつれや傷みがないか確認します。

② ループ同士を通す:一方のループをもう一方に通し、リーダーの先端側をくぐらせます。

リーダーをすべて通し終えるまで、途中で無理に締め込まないようにします。
③ ゆっくり引いて完成:両方のラインを軽く引き、ループ同士が正しく組み合わさった状態に整えます。

ループ同士が食い込んだりねじれたりしていないか、完成後に確認してください。
ループトゥループのデメリット
簡単で便利なループトゥループですが、接続部分が大きくなりやすく、ループの重さや段差が気になる場合があります。
特に、低番手のラインを使用する渓流のドライフライフィッシングでは、ループ接続によってフライまでの力がスムーズに伝わらないと感じることも。その点、スプライス接続はラインとリーダーが自然につながり、力の伝達がスムーズだと感じています。
また、本流のミッジングなど繊細な釣りでは、ループ接続部分が水面に干渉し、ドラッグの原因になることもあります。
もちろん、これは私自身の実釣経験による評価です。ループトゥループにも交換のしやすさという大きなメリットがあり、釣り方や状況に応じて使い分けることが大切です。
通常のネイルノットの結び方とその他の接続方法
ネイルノットの結び方
ネイルノットは、フライラインの外側へリーダーを巻き付けて固定する方法です。
スプライス接続とは異なり、フライラインの内部へリーダーを通す必要はありません。
中空パイプを使う一般的な結び方は、次のとおりです。
- フライラインの先端に中空パイプを並べる。
- リーダーのバット側を使い、フライラインとパイプを一緒に5回程度巻く。
- リーダーの端を中空パイプに通す。
- 巻きが崩れないように仮締めし、パイプを抜く。
- 結び目を整えながら締め込み、抜けないか確認する。
- 余分なラインをカットする。
これはパイプを使用するネイルノットの一例です。巻数や締め方は、使用する素材や結び方によって異なります。
① パイプをフライラインに沿わせる:フライラインとネイルノット用パイプを平行に並べます。

② リーダーを添えて巻き付ける:リーダーのバット側をフライラインとパイプに沿わせ、4〜6回転巻き付けます。

③ リーダーの端をパイプに通す:巻き付けたリーダーの端をパイプへ通し、巻きが崩れないように締め込みの準備をします。

この後、パイプを抜いて結び目をゆっくり締め込みます。
通常のネイルノットの完成形です。結び目から黄色いフライラインの端が突き出している様子に注目してください。

この突出部分がガイドに干渉しやすいため、私は渓流ではスプライス接続をおすすめしています。
ブレイデッドループと自作ループ
フライラインの先端にループがない場合は、ブレイデッドループを後付けしたり、ループを自作したりする方法もあります。
私も以前は、ループの付いていないフライラインにブレイデッド素材を使ってループを作り、ループトゥループで接続していました。
現在はループ付きのラインを使う機会が増え、以前ほど自作する必要はなくなりました。(#5以上のラインは大抵ループが付いています)
ただし、シンキングのシューティングヘッドを使いやすい長さに切った際などには、今でもループを自作することもあります。
自作ループはラインの素材や構造に適した方法で作る必要があり、抜けや接続部の損傷には注意が必要です。
樹脂製ラインコネクター
フライラインとリーダーを接続するための樹脂製コネクターも販売されています。
ただし、私は現在使用していません。
特に低番手ラインでは、接続部の重さや大きさがターンオーバーに影響したり、水面でドラッグがかかったりする原因になると考えているためです。
手軽に接続できることだけでなく、自分の釣り方や使用するラインとの相性も確認しましょう。
釣り場別|おすすめの接続方法と使い分け
私が実際に使用している接続方法を、釣り場ごとに紹介します。
| 釣り方 | 接続方法 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 渓流のドライフライ | スプライス接続 | ガイドへの引っ掛かりを抑えたい |
| ポンドタイプの管理釣り場(#5・#6ライン) | ループトゥループ | ループ付きラインを利用でき、交換しやすい |
| 本流のミッジング | スプライス接続 | 接続部を小さくして繊細な釣りに対応 |
| 本流のダブルハンド | ループトゥループ | ヘッドやシンクティップなどの交換がしやすい |
渓流フライフィッシングではスプライス接続
渓流ではスプライス接続を使用しています。
渓流の釣りは接続部分がガイドを通る機会が多いため、接続部の小ささを重視しています。また、小さなポイントも狙う繊細な釣りになるため、力の伝達がスムーズなスプライス接続がおすすめです。
スプライス接続なら段差を小さくでき、ラインの出し入れや魚の取り込みがスムーズになります。
ポンドタイプの管理釣り場ではループトゥループ
ポンドタイプの管理釣り場で#5・#6ラインを使うときは、ループトゥループで接続しています。
使用しているラインには先端ループが付いているため、リーダーとの接続も簡単です。
リーダーを交換する際も、ループを外すだけで対応できます。
ただし、同じ管理釣り場でも、使用するラインや釣り方によって適した接続方法は異なります。
本流のミッジングではスプライス接続
同じ#5ラインでも、本流でのミッジングなど繊細な釣りをする場合は、スプライス接続を使用します。
私の場合、ループ接続部分の大きさが水面でのドラッグに影響することがあり、接続部を小さくした方が扱いやすいと感じるからです。
ラインからリーダーへの力の伝わり方も、スプライス接続を好む理由のひとつです。
本流のダブルハンドではループトゥループ
本流のダブルハンドでは、ループトゥループを活用しています。
シューティングヘッドやシンクティップを状況に合わせて交換することが多く、ループ接続の利便性が大きいからです。
ヘッドとシンクティップの接続は、この記事で主に解説しているフライラインとリーダーの接続とは別の位置ですが、ループトゥループが便利な場面の一例です。
スプライス接続ならリーダー交換でフライラインを短くせずに済む
スプライス接続をおすすめする理由は、結び目の小ささだけではありません。
私が大きなメリットだと感じているのは、リーダー交換時に元のスプライス穴を再利用できることです。
元のスプライス穴を再利用する方法
リーダーが傷んで交換する際は、古いリーダーの結び目を慎重に外し、フライラインの内部からリーダーを抜きます。
接着剤を使用しておらず、ラインのコーティングやコアに問題がなければ、以前リーダーを通していた穴を再利用できます。
この方法なら、リーダー交換のたびにフライライン先端を切断する必要はありません。
① 古いリーダーの固定部分を外す:フライライン先端を傷つけないように、古いリーダーの結び目を慎重に取り外します。

コアやコーティングを切らないよう、細かな作業は慎重に行ってください。
② 元のスプライス穴を確認する:古いリーダーを抜いたあと、フライラインに残った穴と先端の状態を確認します。

傷みや裂けがある場合は、穴の再利用を避けましょう。
③ 元の穴に新しいリーダーを通す:問題がないことを確認できた穴に、スプライスニードルを使って新しいリーダーを通します。

固定後は必ず結び目の状態と抜けがないかを確認してください。
フライラインのテーパーを維持できる
フライラインの先端は、狙ったキャスティング性能やプレゼンテーションのためにテーパーが設計されています。
リーダー交換のたびにフライラインの先端を切り詰めると、少しずつテーパーが変わってしまいます。
元のスプライス穴を再利用できれば、フライラインを短くせずに交換でき、テーパーを維持しやすくなります。
ただし、コーティングが割れている場合や、コアに傷みが見られる場合は、無理に再利用しないでください。
状態の悪い部分を使い続けるのではなく、必要に応じて補修や接続方法の変更を検討しましょう。
フライラインとリーダーの結び方でよくある質問
初心者にはどの結び方がおすすめ?
使用するフライラインと釣り方によって異なります。
先端ループ付きのフライラインなら、ループトゥループは接続も交換も簡単です。
ただし、渓流フライフィッシングを始める方には、スプライスに適したラインであれば、私としてはスプライス接続をおすすめします。
スプライス接続はどんなフライラインでもできる?
いいえ。フライラインのコア構造や径によっては、スプライスが難しい場合があります。
私の経験では、編組されたコアはニードルを通しやすい一方、単線コアでは中心に針を通しにくいことがあります。
使用するラインの仕様を確認し、無理な加工は避けましょう。
ループ付きラインでもスプライス接続できる?
コア構造などの条件が合えば、スプライス接続に変更できる場合があります。
ただし、工場製のループを切り落とすと元には戻せません。
ループを切る前に、接続方法を変更する必要があるか、ラインの構造が適しているかを確認してください。
ネイルノットとスプライスネイルノットは違う?
通常のネイルノットは、フライラインの外側にリーダーを巻き付けて固定します。
スプライスネイルノットは、リーダーをフライラインの内部へ通してからネイルノットで固定する方法です。
なお、私が現在渓流で使用しているのは、スプライス後にユニノット系の方法で固定する接続です。
リーダー交換のたびにフライラインを切る必要はある?
必ずしもありません。
ループトゥループなら、ループを外してリーダーを交換できます。
スプライス接続でも、接着剤を使用せず、以前の穴やコアに損傷がなければ、同じ穴を利用して新しいリーダーを接続できます。
まとめ|渓流ではスプライス、交換しやすさを重視するならループ接続
フライラインとリーダーの接続方法は、ラインの構造や釣り方に合わせて選ぶのがおすすめです。
私は、渓流や本流のミッジングではスプライス接続を使用し、ポンドタイプの管理釣り場で#5・#6ラインを使うときや、本流のダブルハンドではループトゥループを活用しています。
特に渓流では、接続部分のガイドへの引っ掛かりを抑えられ、リーダー交換時にフライラインを短くせずに済むことから、スプライス接続をおすすめしています。
ただし、スプライスにはラインのコア構造による適合条件もあります。使用するラインを確認して、安全に接続してください。
フライラインの種類や番手選びについては、フライラインの種類と選び方も参考にしてください。

